2008/03/09

中国古典の人間学


中国古典の人間学 守屋洋(著)
中国古典を幅広く知りたい方にお薦めの入門書
中国古典の概略を分かりやすく説明してくれている上に、それぞれの本の中で著者が最も感銘を受けた点を分かりやすく解説してくれているので読みやすいです。 この本は何度も読み返しました。 日常生活において非常に参考になる本です。
「孫子」のリーダの条件として5項目
を上げています。 「智」「勇」「信」「厳」「仁」   
「智」読みが深い。状況を読む力、先見力
「勇」勇気、決断力 
「信」約束を守る 部下に対する統率力 
「厳」厳しい態度、信賞必罰 
「仁」思いやり
「伝習録」の中では王陽明が「事上磨練」 単なる知識をどんなに積み重ねてもいても、人生の修羅場においてはほとんど役に立たない。 百の知識よりも、実際体験のなかで身につけた勘のようなものが重要である。 
「顔氏家訓」の中で顔之推が 家庭内の人間関係の基本は親子、兄弟、夫婦 この3つの関係が円満であれば家庭はうまく治まる。そのためには上に立つものが下のものに、先に生まれたものがあとから生まれたものに「徳」を及ぼしていくことである。
「三国志」劉備 
「左伝」という古典に「卑譲(ひじょう)は徳の基なり」 「卑譲」 自分はひくいところにいて相手を立て、相手に譲るというのが徳の基本である。 「謙虚」と「信頼」は孔明を軍師に迎えた「三顧の礼」という有名な話の中で理解できます。「徳」は人を動かす重要な要素である。

中国古典の「深み」を経験や知恵の積み重ねにより理解できるようになるためでしょう。 読むたびに「新しい発見」があります。是非読んでいただきたい1冊です。
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