2008/04/17

クラウドコンピューティングの時代

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前回CEOの視点 「情報」の重心移動 「こちら側」から「あちら側」へという記事を書きました。最近のトレンドであるSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)、Webサービス、Webオフィス・スイートという一連の情報処理もデータの管理も「あちら側」で行われるという意味です。 個々のサービスを超えて、更に「あちら側」から本格的なサービスが提供される時代を実現するためのクラウド・コンピューティング(Cloud Computing)という技術がホットになりつつあります。クラウド・コンピューティングとは、「雲」のようなインターネット側のどこかで情報処理が行われ、どこかでデータの書き込み、保存がされるというイメージからそう呼ばれています。クラウド・コンピューティングは、エンタープライズ分野とコンシューマー分野とを問わず、膨大な数のデータセンターやサーバー内の情報をインターネット上で取り扱い、処理する新たな技術でありハードウエアからセキュリティに至るまでのあらゆるインフラ、あらゆるアプリケーション、膨大なデータを、複数のデータセンターやサーバーを駆使して利用できる環境が求められます。それには、多数のデータセンターやサーバーの管理を適切に行い、高速に処理する技術が必要になります。これまで、核実験シミュレーション、気象予測、航空機設計、タンパク質解析などの特殊な領域で利用されてきたスーパーコンピュータ技術(あるいはHPC) の分野をある意味、「一般の我々に解放する技術」であるとも言えます。増加するリソース需要に対してハードウェアの高機能化だけで対処するのではなく、グリッドや仮想化によって相互に接続され、複数のコンピュータが一体化・抽象化した分散・並列型の巨大ネットワークを構築する必要があります。
一般ユーザはノートパソコンやAtomに代表されるインターネットデバイスを使用し従来と違いハードの買い替え、ソフトのバージョンアップ、ファイルのバックアップなどの作業から開放され、真にユーザーの視点で本当にやりたいことに「集中」できる日も近い将来訪れるでしょう。 一方でIT技術者は「あちら側」のテクノロジートレンドを注視するのと同時にこちら側で必要とされている選ばれたアプリケーション開発が今後必要となるでしょう。 次世代ネットワークによりビジネスのやり方、コミュニケーションの仕方、情報の収集方法が変わるでしょう。
用語解説
「クラウドコンピューティング cloud computing」
インターネット上にグローバルに拡散したコンピューティングリソースを使って、ユーザーに情報サービスやアプリケーションサービスを提供するという、コンピュータ構成・利用に関するコンセプトのこと。
「仮想化」
仮想化OSなどでサーバーハードウェアを隠蔽し、ユーザーがサーバー資源を利用や管理がしやすいようにする技術。
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