2008/02/22

投資の科学



投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い
マイケル・J・モーブッシン
日経BP社

最新の投資理論をわかりやすく解説、投資の哲学、経済学、統計学、心理学 イノベーションと競争戦略、科学と複雑系理論 といった切り口で投資の「奥深さ」を伝えてくれる読み物です。投資戦略を考える上で重要なポイントが記述されています。 

ロバート・ルービン元財務長官の4原則
唯一確かなものは、確実なものはないということである。
意思決定においては確率についてよく考えるべきである。
不確実性があるにも関わらず、われわれは行動しなければならない。
意思決定を評価するには結果だけではなく、その過程も考慮すべきである。

どのように意思決定がなされたかによって意思決定を評価すべきなのである。過程の重要性。状況に基づいて分類されたものへと進化 過去40年間においてS&P500の利回りを15年間連続で唯一上回ったファンドマネージャは間違いなく状況を重視したもので、投資手法が首尾一貫していない。

確実に予測できる唯一のことは、イノベーション(革新)が起こるということである。

成長のS字カーブ 創造的破壊と期待の関係 加速されたイノベーションは、産業と製品のライフサイクルを短くする。トレンドにあわせて期待値をすばやく変更していかなければならない。S字カーブの失速点 失速点に到達した企業の83%は失速点を過ぎた後の10年間に5%前後かそれ以下の売り上げ成長率しか達成できなかった。 

競争優位を維持できる期間は年々短期化。
過当競争はあらゆる産業において発生しうる。
短期的な優位をいくつもつなぎ合わせることによって長期的な競争優位を維持する企業が増えた。
投資家も進化しなければいけない これまで以上に時間をかけて構造変化のダイナミズムを理解する必要性に迫られている。社会保障と人口構成は変化する。過去の株価収益率の平均値など現在の環境を評価するうえで参考にする程度にしか使い物にならない。 かるがるしく過去の株価収益率を頼りにすべきではない。過去が将来のてがかりにならない。